天涯さすらいの旅

─ 張義雄《籠中鳥》

曹永洋    原作

呉昭新  日本語訳

 

画家張義雄は既に九十三歳になる。彼、常に赤子の心を失わない芸術家は、十歳の時台湾嘉義市の中央噴水池の傍にて一心にスケッチに専念している陳澄波氏を初めてみた、この時この少年の心の中に画家になろうと言う意欲が芽生えたのだ。この時より、彼はギター、魔法の道具、心愛する小さな動物達を連れて天涯さすらいの旅に出かけた。台湾、日本、中国そしてフランスの国々は彼がその芸術作品を残した重要な拠点である。

青年時代から、如何なる政局や境遇の下に置かれても、彼はその画筆を置くことはなかった。彼の作品は皆個性に満ち満ちている。玩味に値する静物、風景、或いは社会の小人物......を問わず、皆その画筆のもとにそれぞれの永恒の姿を探し当てうる。

《籠中鳥》は1978年張氏68歳の時の作品である。この画の中に台湾の三十八年の長きにわたる戒厳時代の禁固封鎖の状況、心境が語りつくされている。四面海に囲まれている台湾は蒋家政権の専制統治下において、ソ連、中国、東ヨーロッパ、北朝鮮....とともに二十世紀後半期において想像に窮する奇怪極まる景観であった。

思想家、芸術家、そして文学家たちは、その鋭敏な観察力、綿密な思考力によって、彼らは必然いろいろなメディアを通して彼らの心の思いを訴えるであろう、故に如何なる時代に於いても必ず独裁者の狩猟の最初の目標になる運命の下に置かれている。

画面の左上に白く光る金網、一旦大地震が起きたとき、籠の中の鳥は金網から脱け出して再び自由を取り戻しうるやも知れない!

長い間、煉瓦の重圧に下にいた籠の鳥、奴隷から主人になったその時、はたして飛翔する力を保持して居るだろうか?(October, 2006

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