華語健康インフォメーション(台湾健康インフォメーションウエブ)-老医のホームシリーズ
(一九九六年三月創刊)
老医のホーム- Dr. 呉昭新の
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周月坡女史の俳句、短歌ページ
台北俳句会会員
呉昭新 医師 編集
(by Jau-Shin WU, M.D., Ph.D.)
(Posted on Jan. 12, 2009;Updated on Dec. 05, 2009)
ウエブマスター“老医”特別医学貢献奨個人奨受賞 (1999)-(国家生物技術及び医療保険委員会)
<<周月坡女史のプロフィル>>
朝寒の白雲揺らぐ翠峰湖(太平山)
(2009.11)
電脳(パソコン)に梃子摺られている朝の寒
(2009.11)
朝寒し山の温泉(ゆ)匂ふミニバスに
(2009.11)
愛玉氷も仙草氷もと旅立つ子
(2009.09)
選句出し一人一杯氷コーヒー
(2009.09)
風の画く浮雲乾杯缶ビール
(2009.09)
突つかれて円画き線描く蚯蚓かな
(2009.08)
赤竜や雌雄同体目も不要
(2009.08)
釣人の蚯蚓可愛ゆと持ち去りぬ
(2009.08)
亡き母を恋へば荔枝や頬緩む
(2009.07)
一筆敬上荔枝生る頃里の文
(2009.07)
荔枝なる全樹舞台に蜂の群
(2009.07)
汗ばみて今日のエネルギー量りいる
(2009.06)
山登る男の臭ふ汗手拭
(2009.06)
隣席の白き顳顬汗の筋
(2009.06)
パラダイスしゃぼん玉の後を追ふ
(2009.05)
うすれゆく恋のブーケ春の風邪
(2009.05)
春の風見知らぬ姥の顔となる
(2009.05)
まま事のママは忙しせんだん草
(2009.04)
分け入れば細流(せせらぎ)の音咸豊草
(2009.04)
天と地に待ち人有りて墓参り
(2009.04)
久久の五姉妹集う鮟鱇鍋
(2009.03)
仲人の賛辞温とい鮟鱇鍋
(2009.03)
鮟鱇鍋のぞく笑顔の皆同じ
(2009.03)
紅白の渲む初画に花蟹や
(2009.01)
妻ほぐす蟹を肴にとことんと
(2009.01)
あばれ蟹閉じて焙りて静座させ
(2009.01)
老いまいと拳握りぬ数え日や
(2008.12)
数え日の金融津波店閉じる
(2008.12)
数え日の窓辺に一輪床上げぬ
(2008.12)
愁ひごとさらり流して月の波
(2008.09)
月下美人何方ゆ奏ず月光の曲
(2008.09)
雲間見ゆ雨月ちらつく小笛の音
(2008.09)
母の味手編みショールの虫の跡
(2008.08)
母の味娘らが孫娘らへ粽結ふ
(2008.08)
線香を竃に做粿母の味
(2008.08)
片鋏かかへ軟殻蟹のマングローブ
(2008.07)
青蛙うからやからとゲェロッケロッ
(2008.07)
線香を竃に做粿母の味
(2008.07)
南風吹く雅美の髪舞波しぶく
(2008.05)
カーネーション尼僧の胸に紅一点
(2008.05)
火星語の祝辞カードでカーネーション
(2008.05)
蹲る水牛目を伏せ日向ぼこ
(2005)
春の蚊やよちよち歩きの四畳半
(2005)
蹲る水牛目を伏せ日向ぼこ
(2005)
紋黄蝶わが衿元をついと抜け
(2005)
神父の歩緩くラベンダー横抱きに
(2005)
火龍果の紅色が好き汝の笑顏
(2005)
褒められて斯くもピンクや朝のトマト
(2005)
怖づ怖づと食みし土殺の身の柔ら
(2005)
皮剥がれ遣るせなき面
(つら)
紅目鰱
(2005)
雑沓に下駄の音あり城隍祭
(2005)
夏帽子前歯大きな明るき娘
(2005)
久々に電話十通颱一号
(2005)
徳島も花蓮もふるさと雲の峰
(2005)
青葉祭阿美の踊りに阿波音頭
(2005)
仙草氷
(ブラックゼリー)
舌に滑らすエトランゼ
(2005)
戻らねばならぬ台北秋老虎
(2005)
子沢山の掌凝視布袋草
(2005)
何よりも母とありし日布袋蓮
(2005)
靴音に当てる子の名やポインセチア
(2005)
老翁にむなしき演歌寒厨
(2005)
四君子を一紙に納め年賀とす
(2004)
四重渓湯の香花の香牛の鈴
(2004)
瞳澄むボッチェリの春の女神かな
(2004)
百千鳥念珠の指のまろやかや
(2004)
桃の日やティーン‧エイジャーらは火星語で
(2004)
日脚伸ぶ子の家を発つ旅仕度
(2004)
何も聞かず言はずに夫に新茶汲む
(2004)
花嫁にまとひ付き舞ふ対の蝶
(2004)
母の日や子らには言はで母恋うて
(2004)
画き終ふを待ちてひらりと胡蝶蘭
(2004)
女王の夜の変身火竜果
(2004)
海底の絵巻物かやえい泳ぐ
(2004)
夏休み空港不夜城のどまんなか
(2004)
醬油味ほどよき嫁の呉郭魚
(2004)
白雲の獣のつそり秋暑し
(2004)
芋の露滴る間に間に硯研ぐ
(2004)
鉢換へや一握混ぜし里の土
(2004)
電線は地下にもぐれり寒雀
(2004)
終列車発ちてホームに寒の月
(2004)
凧揚がる敵味方の無き悠々郷
(2004)
曆買ふ平和の願ひのマチスの繪
(2003)
寒の雁笹に聲のみ夢幻湖
(2003)
湯氣立や時計のハートなな色に
(2003)
何氣なく整へる裾咳込みて
(2003)
頰杖の遠まなざしや春愁ひ
(2003)
春愁や夜汽車の窓の自問自答
(2003)
四月莫伽話す天國聽く地獄
(2003)
夏薊とげある女の豔めきて
(2003)
夏めくや造花に水やる驛長さん
(2003)
包肉粽入試の子への特大號
(2003)
晝寢する坊のおへそに舞ふ木の葉
(2003)
午時卵そっと觸れみる初胎動
(2003)
瑠璃色の沙漠の夜空星涼し
(2003)
古城跡暮れて芍藥の花依然
(2003)
ビール泡文(あや)なす句想うたかたに
(2003)
長芋の屋台に背比べ登山口
(2003)
芋掘りや手傳ふ幼ころころと
(2003)
熱燗や手付きで語る妻の酒
(2003)
恍けるも惡くなき齡冬至粥
(2003)
鷄頭の見ざる言はざる尾牙宴
(2003)
笑ひ初悟空になりぬ年男
(2002)
まどろみの夢二の女春の風邪
(2002)
青髭が下萌えてをり鬼瓦
(2002)
三途川銀行金紙銀紙清明節
(2002)
姿見に花嫁御寮畫眉鳥
(2002)
つと立ちて見紛ふ秀眉更衣
(2002)
栗鼠の來ていろはにほへと長へちま
(2002)
骨壺や三伏の海を父母歸る
(2002)
一握の熱砂を拋り思ひ斷つ
(2002)
父の日や明治の家長遠ざかり
(2002)
牡蠣を剝く手早舌速波靜か
(2002)
汽車窓に臺灣歲時記山粧ふ
(2002)
ゴッホ追ひ烏飛び立つ麥畑
(2002)
闇の頰叩きて目醒む秋の蚊に
(2002)
久闊の挨拶賑ふ小鳥來る
(2002)
木欒子黃‧紅‧茶‧紅茶‧風並木
(2002)
襟卷にミニの似合ふ娘エルニーニョ
(2002)
百年の母校は青き冬の椰子
(2002)
お隣の名も知らぬまま馬拉巴栗
(2002)
矍鑠と老犬を曳き冬立ちぬ
(2002)
「春來納福」三尺さがり筆蹟自讚
(2001)
朝靄に寒波突き拔く老いの拳
(2001)
ぼんやりと不安な振る舞ひ寒波なほ
(2001)
入り日追ふ繪筆もどかし日短か
(2001)
春泥につめ跡重ね二羽の鷺
(2001)
ふらここや諍ひ後の泪顏
(2001)
相思樹の黃花息つぎ春惜しむ
(2001)
行く春のローカル線や花粉舞ふ
(2001)
小鳥にと殘す芭樂の二つ三つ
(2001)
鹹蜊仔
(キャムラーア)
土曜の宵の終りなく
(2001)
若者の侍のごと西瓜割り
(2001)
瀧音を乘せて繪筆の彈みけり
(2001)
密婆へ古拙な微笑や岩佛
(2001)
軒下を燕に宿かす家の和氣
(2001)
空港に別れを惜しみ夏終る
(2001)
空蟬の佛顏なる座禪かな
(2001)
「灣生」の月餅圍む集ひかな
(2001)
漂はすたばこの煙天高し
(2001)
熱燗や煙草分け合ふ男衆
(2001)
着ぶくれて孫の手よりも妻の手を
(2001)
手づかみのからすみ嚙り濱仕事
(2000)
懷爐こそ吾が冬妻と抱き去りぬ
(2000)
煮凍の默然と箸撥返す
(2000)
李登輝の深きお辭儀や春一番
(2000)
靴ばこを子貓にとられ忍び足
(2000)
冴返る寢返りごとの夫の嚔
(2000)
紅白梅三代目豪宅賣屋札
(2000)
囀りの高層ビルにはばまれて
(2000)
姊妹してあやしつ老母の髮洗ふ
(2000)
洗ひ髮ひらがな書きの「る」字結び
(2000)
掌に消えし螢火に泣く兒をあやす
(2000)
春惜しむ嶺々暮泥む薄墨に
(2000)
綠蔭に武男談議や老兵衆
(2000)
綠蔭に野犬の寢相や世は太平
(2000)
夏瘦の愁ひに冴えしギリシャ鼻
(2000)
夾竹桃の片道盡きて碧き濤
(2000)
夾竹桃追ひに追ひ來るバックミラー
(2000)
秋高しレモン色の文屆く頃
(2000)
着陸す燈火親しき故鄉に
(2000)
未練なき河の流れや柳散る
(2000)
野貓出づ初爆竹の治まりて
(1999)
背廣着て畦ゆく夫の年賀行
(1999)
どら聲の年賀の聞けずなりしかな
(1999)
甘仔魚
(カムアーヒイ)
の目玉に寫る朝の雲
(1999)
バレットに早春の色溶き合はす
(1999)
つつじ咲く野山に不景氣なかりけり
(1999)
姑に電話掛けみる寒の入
(1999)
告ぐる間に消えてしまひし二重虹
(1999)
產聲を力いっぱい龍眼花
(1999)
嫁ぐ娘の背にまなざしや龍眼花
(1999)
風青し草分け進む杖の音
(1999)
主待つ無言の杖に日の長き
(1999)
五妃廟に朽木の風のすすり泣き
(1999)
殿樣蛙車が來たよ左右見な
(1999)
蜜豆で戰前戰後派よき友に
(1999)
震災の瓦礫に青き月光り
(1999)
かなかなやピアノの音の間の合ひに
(1999)
己が名を忘れし母と日向ぼこ
(1999)
渡されし大根に殘る手の溫み
(1999)
大根に吉祥委ね選舉戰
(1999)
婿に注ぐわたしの手頃な溫め酒
(1998)
小籠包
(シャウロンパオ)
最後の一つ讓り合ひ
(1998)
楊英風逝く居ずまひ正す鄭成功
(1998)
ゴーギャンの繪と並べみる人心果
(1998)
一人旅一と足遲れの花吹雪
(1998)
老犬逝く花壇空しき彌生盡
(1998)
雨音に顏負けせしか百千鳥
(1998)
臺灣楓朱染め上る天母まで
(1998)
月下美人語り明して殘せし香
(1998)
蟬殼を並べ聞き入る森の曲
(1998)
二枚目のアメリカ蛙皮剝がれ
(1998)
美國水鷄四腳朝天客を呼ぶ
(1998)
行樂のはぜらん摘みの夜の廚
(1998)
片蔭に犬も聞き入る胡弓の音
(1998)
忘られし錆びし自轉車片蔭に
(1998)
露玉を風に遊ばせ蓮一葉
(1998)
梢先一葉ひっそり紅葉ゐる
(1998)
龍眼を供へて祈る多子多孫
(1998)
桶柑な醜(ぶす)こそ旨しと捥ぎ吳るる
(1998)
日の中に桶柑王といふ威容
(1998)
新正やこんな歲にと嗤ひあふ
(1997)
着飾りて娥に似し姿鏡中に
(1997)
飛び入りし蛾を追ふ我も舞ひゐる蛾
(1997)
入れ墨を比べる男青葉風
(1997)
曙の芝生素足にやさしくて
(1997)
一聲やかち合ふジョッキ流星群
(1997)
青春の名殘り黃ばみし大甲帽
(1997)
兄追ひて草むら駈けし螢の夜
(1997)
終點へ鼾を運ぶ夏夜汽車
(1997)
蝦蟆(ひきがえる)まばたく嬰(やや)にまばたきぬ
(1997)
家遠し旅路の終り守宮鳴く
(1997)
ハゼランを摘みて去りゆく杖の音
(1997)
大空に粟搗き音頭紅衣裳
(1997)
凧揚がる歡喜の聲も白雲へ
(1997)
画きたる月を掲げて雨の月
(1997)
長電話切れて秋の日暮れにけり
(1997)
一つづつ熟れ柿突つき逃げてゆく
(1997)
紅柿を盛りし器や柿右衛門
(1997)
筆擱きてセンナに語る画の心
(1997)
差羽來る地球は今も廻ってゐた
(1997)
新正や我が血の通ふ嬰抱いて
(1996)
小籠包屋臺の主もと兵士
(1996)
老兵の皺の手匂ふ小籠包
(1996)
子ら散りて年魚ばかりの母の膳
(1996)
卒壽越す父に細かに長年菜
(1996)
凍ゆるむ二二八の血の孤島
(1996)
三月盡春聯褪せたる古樓門
(1996)
滿山の春を畫帖に收めけり
(1996)
母さんの白粉盜んだ雛目白
(1996)
ゴーギャンの繪に出て來さうサッポジラ
(1996)
凧揚げや知れぬ二人が結ばれて
(1996)
師を偲ぶ三峽祖師誕生石柱群
(1996)
母と子の粽づくりの長話
(1996)
片蔭り兵士の迷ふ摸乳巷
(1996)
強風豪雨の闇明け八月來
(1996)
ところてん片箸そへて緣側に
(1996)
卓上の人待顔の鏈魚頭
(1996)
嚔して秋の山より戻りくる
(1996)
白帶魚ほどよく焦げてくつろぐ座
(1996)
短歌ページ
たんがら短歌会会員
七星山の雲紫に照りかかり観音山の影はや傾きぬ
風景の無限の可能を探らむか画架を構えて息深く吸ふ
甦る筆致に訓え伝い来て離れ難かり恩師遺作展
新春の爆竹の音闇を突く受話器に捕え父母に届けむ
古希近き子等の寿杯を受くる親ほほ笑む目尻知らずに潤む
*老医のホーム(日本語ページ)
*燃ゆる志の試練と感謝(第一部)ー日本本土へー東俊賢回想録
*燃ゆる志の試練と感謝(第二部)ー待望の帰郷ー台湾へー東俊賢回想録
*曹永洋先生の台湾の名画 解説および随筆
*台湾語表音記号とは?
*老医Singo(真悟)の俳句ページ
*老医Singo(真悟)の漢俳、湾俳、俳句ページ
*周月坡女史の俳句ページ
Web
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